Monday 13 February 2012

一歩前進?

今日2月13日、エディンバラで、かねてから予定されていた、独立をめぐる住民投票についてのスコットランド-英政府間の会談が行われました。

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スコットランド政府からサモンド首相(左)、英政府からマイケル・ムーア大臣(右)が出席したこの会議は、1月にキャメロン英首相が独立問題論争の口火を切って以来、最初のトップレベルでの折衝で、前回のエントリでまとめた両政府の住民投票をめぐる立場の違いを解消することを狙いとしていました。

会談後、サモンド首相は「わずかながらも前進が見られた」と述べ、一定の評価を与えました。報道によると、選挙の時期と選挙委員会の役割という点では大まかな合意を得られた、とサモンド首相は考えているようです。いっぽう投票の年齢制限と投票の問いについてはいまだに意見の相違があるとサモンド首相は認めています。

面白いのは、サモンド首相の意見とは異なり、ムーア大臣は選挙の時期についてはまだ合意に達していないと述べている点です。ムーア大臣は英政府の主張どおり、投票時期を「遅くよりも早く(sooner rather than later)」考えており、サモンド首相の計画である2014年秋の住民投票実施には必ずしも賛成していません。このように早くも会談の結果の解釈に食い違いが生じており、双方の駆け引きの激しさを予想させます。どちらの側も、選挙開催の時期についてはメディアを利用して、既成事実的に世論を作り上げようという意図があるのではないかと思われます。

ひとつ明らかなことは、まだまだ両政府間の齟齬は非常に大きいため、今後もトップレベルでの折衝が必要になるだろうということです。交渉の中で、どちらがどの点で譲歩し、またどの点で主張を貫くのか、先が読めませんが、問題をすべて解決するのは簡単ではなさそうです。ちなみに今週木曜にサモンド首相とキャメロン首相の会談が予定されていましたが、会談はキャメロン首相の側からキャンセルされ、英政府は今後もムーア大臣をスコットランド担当大臣としてサモンド首相との折衝に当たらせるとの報道がありました。SNPは議題の重要さから考えて、ムーア大臣では不十分であると述べ、キャメロン首相との会談を要求しているということです。

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