Monday, 28 May 2012

「イエス」キャンペーン始動

5月25日、先週の金曜になりますが、スコットランド独立を目指した「イエス」キャンペーンが始動し、その記念式典がエディンバラのCineworldという(うちの近所の)シネマコンプレックスで開かれました。

Copyright © 2012 Reuter

・「史上最大の草の根運動」

「イエス」キャンペーンは、2014年に開催を予定されている住民投票に向けて立ち上げられたもので、SNPだけではなく独立に賛成している緑の党、そして政治家だけではなく俳優や詩人、ミュージシャンなど、さまざまな分野で活躍する著名人も加わった大規模な運動です。スコットランド史上最大の草の根活動、という謳い文句を持っています。サモンド首相も式典の演説で強調したように、主役は政治家ではなく一般のスコットランド人であり、こうした政治的なイベントとしては珍しく映画館を選んだのも、映画館は一般の人たちが集う場所であり、この運動の一般人が主役であるという狙いと特徴を表すためだと説明されています。運動を主導しているのがSNPなのは言うまでもありませんが、式典には緑の党の党首パトリック・ハーヴィ、元BBC Scotlandの報道ディレクターブレア・ジェンキンス、ハリウッド俳優のアラン・カミングブライアン・コックス、ケン・ローチ監督のSweet Sixteenで主役の16才少年リアムを熱演したマーティン・コムストンなどが集い、またSNP支持で有名なショーン・コネリーのメッセージも寄せられました(主要な著名人の賛同者はこちら)。

・100万人のイエス

このキャンペーンの最大の目標は、2014年の住民投票までに100万の「イエス宣言」署名を集めることです。サモンド首相によれば、この目標が達成されれば、スコットランド独立は実現するとされています。スコットランドの人口は520万人ほどなので、もしこの目標が達成されれば、住民投票で独立賛成が50%を上回る確率はかなり高くなると言っていいでしょう。

イエス宣言に最初の署名をするサモンド首相
Copyright © 2012 BBC

・時期尚早?

メディアで挙げられたいくつかの懐疑的な反応には、「キャンペーン開始の時期が早すぎる」、「独立にイエスと言うが、独立は何を意味するのか?」といったものがありました。開始の時期が早いという批判についてはたしかに一理ありますが、住民投票までの2年半という期間をどのように使うのか、SNPの戦略に注目と言ったところでしょうか。現時点では、独立をめぐる論争にはふたつの見解があると見ていいと思います。ひとつは、独立が何を意味するのか、何をもたらすのか、また独立しない場合にどういったオプションがありうるのか、といった議論が出尽くしておらず、国民が熟慮の上で選択をするにはまだ時間が必要だ、という見解です。もうひとつは、すでに人々は独立反対か賛成かは決めており、これ以上時間をかける必要なない、という見解です。前者の立場は独立賛成派、後者は反対派に多くみられると言ってよいかもしれません。

世論調査によると、現状では独立賛成派が約3割、反対派が約5割と、SNPにとって逆風の状況が続いていると言っていいでしょう(先週公表された調査によると、独立賛成派は33%、反対派は57%となっています)。SNPとしては住民投票までに残された時間をうまく活用し、なんとか風向きを変えたいところです。「イエス」キャンペーンはその戦略のひとつですが、このキャンペーンを通じてSNPがどのように世論を動かそうとするのでしょうか。いっぽう独立反対派は、来月中にも「合同維持キャンペーン」を開始するとされており、両陣営の住民投票に向けた政治活動がいよいよ本格化してきたと言えそうです。

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